海外進出コラムCOLUMN

アメリカ法人設立後にやるべき5つの手続き

アメリカでの法人設立が完了しても、それで全ての準備が終わるわけではありません。法人登記の後には、実際にビジネスを運営するために必要な各種手続きが待っています。本記事では、アメリカ法人設立後にすぐ行うべき5つの基本的な手続きを、順を追ってわかりやすく解説します。

1. EIN(連邦納税者番号)の取得

EIN(Employer Identification Number)は、アメリカでビジネスを行うための「法人のマイナンバー」のようなものです。

  • どの企業も取得必須。税務申告、従業員の雇用、銀行口座の開設に必要。
  • IRS(米内国歳入庁)にForm SS-4を提出して取得。
  • 2025年現在、IRS公式サイトからのオンライン申請で即時取得が可能。
  • 申請時に必要な情報:会社名・所在地、設立州と日付、代表者の個人情報(米国外居住者でもOK)

▶ EINオンライン申請ページ(IRS公式):
https://www.irs.gov/businesses/small-businesses-self-employed/apply-for-an-employer-identification-number-ein-online

<参考リンク>
Form SS-4とは(IRS公式)
Form SS-4 PDFダウンロード

2. 銀行口座の開設(ビジネスアカウント)

法人名義の銀行口座がなければ、取引や給与の支払いができません。

  • アメリカ国内の主要銀行で開設が必要(Chase、Bank of America、Wells Fargoなど)
  • 開設に必要な書類:設立許可証(Articles of Incorporation)、EIN発行通知、住所証明、代表者のID
  • 多くの銀行では現地での面談が必要
  • 国際送金やクレジット履歴の構築を考えると、口座選びは重要

<参考リンク>
Articles of Incorporationとは(IRS公式)

3. Business License(営業許可)の取得

多くの州や都市では、法人登記とは別に「営業許可証(Business License)」が必要です。

  • 所在地の自治体にて申請が必要
  • 州、郡、市の3つのレベルで許可が必要な場合も
  • 主な提出書類:事業内容の説明、EIN番号、法人登記証明書、リース契約書など
  • 無許可営業は罰金や営業停止の対象になることも

カリフォルニア州の場合:営業許可はCDTFA(California Department of Tax and Fee Administration)にて申請、オンライン申請も可能。

<参考リンク>
カリフォルニア州の営業許可
CDTFA登録ページ

4. CTA(企業透明化法)報告:BOI(実質的所有者情報)の提出

2024年1月に施行されたCorporate Transparency Act(CTA)により、法人は実質的所有者情報(Beneficial Ownership Information:BOI)の報告が義務化されています。
※2025年3月26日付けで、米国内で設立された企業(国内報告会社)とその実質的所有者は、BOI報告義務から免除されています。現在は外国で設立され米国で事業登録している企業のみが報告義務を持ちます。

  • 提出先:FinCEN(米国財務省 傘下の金融犯罪取締ネットワーク)
  • 提出期限:2025年3月26日以前に設立 → 2025年4月25日まで/2025年3月26日以降に設立 → 設立後30日以内
  • 提出内容:実質的所有者の氏名、住所、出生地、ID番号/登録申請者の情報
  • 違反すると罰金や刑事罰の対象になる可能性あり

<参考リンク>
BOI報告の概要(FinCEN公式)
オンライン提出ポータル
BOIに関するFAQ

5. 州や市による追加届出(例:Statement of Information)

法人設立後には、州独自の報告義務もあります。

  • カリフォルニア州:Statement of Information を設立から90日以内に提出
  • 年1回の更新も必要で、怠ると法人ステータスが失効するリスクあり
  • Franchise Tax Boardへの登録など、追加で必要な州登録も存在

<参考リンク>
Starting a Business in CA(公式)

まとめ:設立後のToDoリストを確実にクリアしましょう

法人登記が完了しても、ビジネスを本格的に開始するためには上記5つのステップを早急にクリアする必要があります。

  • EIN取得
  • 銀行口座開設
  • 営業許可の取得
  • BOI報告(CTA対応)
  • 州や自治体への追加届出

これらはすべて、見落とすと後から大きなトラブルに発展しかねない「重要な初期対応」です。しっかりとスケジュールを立て、必要に応じて専門家の力も借りながら確実に進めていきましょう。

Paradise Visionでは、アメリカ進出に必要な法人設立から税務、現地銀行口座の開設まで、ワンストップでサポートしています。アメリカ法人設立をご検討中の企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。

※本記事の内容は2025年時点の情報に基づいております。詳細は各公式サイトを必ずご確認ください。

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